注文住宅を建てるとき、床や壁の素材、色、ドアなど、建具のスタイルで印象が大きく変わる内観のテイストはみんなが気になるところ。そこで3年以内に注文住宅を建てた人を対象に、“好きな内観のテイスト”についてアンケート調査を実施。その結果をもとに、家族が長い時間を過ごすLDKを例にあげて、ステキで居心地がいい内観デザインの特徴を紹介。好みのテイストの空間をつくるヒントにしてほしい。
アンケートの結果は以下の通り。
●あなたが好きな内観スタイルや検討した(建てた)内観スタイルはどれですか?
1位:シンプルモダン(424pt)
2位:ナチュラル(124pt)
3位:和風・和モダン(54pt)
4位:カフェスタイル(44pt)
5位:ヨーロピアン(37pt)
※「わが家に取り入れたデザイン」を2点、「取り入れたかったデザイン」1点として合算しポイント化したもの
まずは、他を大きく引き離して1位になった『シンプルモダン』。その特徴は白を基調にしたシンプルなデザイン。室内を明るい印象にし、空間をより広く感じさせてくれ、家具やインテリアの色を選ばないため、小物で変化をつけやすい。
また、床や階段などの足元に、むく材やタイルを使ったり、仕上材に変化をつけたりすることで、空間に表情が生まれ、広さだけではない、温かみと居心地を生み出すことができる。
【画像1】部屋がシンプルだと、どんな家具でも空間に映える(写真: iStock/thinkStock)
2位に選ばれた『ナチュラル』は優しい素材感や癒やしの空間をつくることができる。『ナチュラル』と聞いて思い浮かぶ木の床は断熱性にすぐれているため、夏はひんやりと涼しく冬は温かみを感じられる。漆喰や木など多孔質の素材は、吸湿・放湿性があるため空気環境を整える効果もある。
【画像2】ナチュラルだと温かみのある空間になる(写真: iStock/thinkStock)
3位は住空間をフレキシブルにする『和風・和モダン』。縁側や土間は、外空間でありながら内部としても使え、渡り廊下の役割も果たす。引き戸は、開け閉めで空間を分割も統合もできる。多用途に使える柔軟性が和空間の特徴。
【画像3】和モダンは、落ち着いた雰囲気にまとめられる(画像提供:(C)iStock/thinkStock)
温かみのある素材が印象的な4位の『カフェスタイル』。特徴は珪藻土の壁や、幅を広めにとったむくの床材など温かみのある素材を使ったカジュアルでナチュラルな空間。カフェのようなくつろぎや居心地の良さを生み出す。
【画像4】素材感や照明でカフェスタイルが楽しめる(画像提供:(C)iStock/thinkStock)
最後はエレガントな邸宅の装いを演出できる『ヨーロピアン』。床材は深みのある色で高級感を出し、天井を折り上げにするなど、装飾的なつくりで豪華な印象でありながら、落ち着いた空間になる。存在感のある家具とも相性がいい。
【画像5】装飾的な室内は、床や壁の色味で統一感のあるものに(写真: Zoonar/thinkStock)
注文住宅を建てる際には、テイストだけではなく具体的な言葉でイメージをつたえよう。「ホテルのような内観」と言っても、シティーホテルのミニマルなデザインもあれば、ラグジュアリーホテルの重厚感など、人によってイメージは異なるためだ。
映画の中の好きな家、展示場で気に入ったコーディネートなどを具体的に伝えたり、自分たちの好きな雑貨や家具を伝えることも有効だ。同じ色・幅の床材でも20畳のLDKと6畳の書斎では印象が違う。イメージを共有するとともに、自分たちの家のサイズ感にあったアドバイスを受けよう。